構造審査・判定よくある質問
よくある質問
- SD490の鉄筋を使用する場合の注意点について教えてください。
- 注意点①
JIS規格品であっても国土交通大臣が定めた基準強度を用いることになるため、基準強度を1.1倍することはできません。
注意点②
靭性保証型耐震設計指針では、指針を適用できる材料にSD490が含まれていません。
靭性保証型耐震設計指針による付着信頼強度の算定、柱梁接合部の検討を適用することができないため、RC規準2018年版によることが必要です。
- 鉄筋コンクリート造の柱梁接合部の検討を「靭性保証型耐震設計指針」により行った場合、接合部のせん断補強筋比は0.2%以上でよいですか。
- 2020年版技術基準解説書のQ&A No.17に記載があるように、靱性保証型耐震設計指針により柱梁接合部の検討を行う場合、接合部のせん断補強筋比は0.3%以上とすることが必要です。
- あと施工アンカーが使用できることになりましたが、使用にあたりどのような留意事項がありますか。
- ・平成13国交告第1024号のあと施工アンカーに係る運用について、技術的助言が令和4年3月31日付で交付され、国土交通大臣が許容応力度及び材料強度を指定できる「あと施工アンカー」について、「鉄筋コンクリート造等の部材と構造耐力上主要な部分である部材との接合に用いるもの」に適用可能な建築物及び使用できる部位が拡大されました。
・建築確認申請の構造計算書には、使用するあと施工アンカーの強度指定書の添付とその指定書に示された許容応力度及び材料強度を用いた構造計算をお願いします。
・また、中間検査、完了検査において、構造耐力上主要な部分である部材の材料について、計画の変更をして強度指定を受けたあと施工アンカーを使用する場合にあっては軽微な変更には該当しませんのでご注意をお願いします。
詳しくは、こちらの技術的助言をご参照ください。
- みやすまオンラインの利用者登録とみやすまオンラインによる構造適判Web申請の方法について、詳しい説明をお願いします。
- ・利用者登録の方法は建築確認用マニュアルをご参照ください。
建築確認用マニュアルはこちらから
・構造適判のWeb申請方法は構造適判用マニュアルをご参照ください。
構造適判用マニュアルはこちらから
- 既存建築物にEXP.Jを設けて増築を行う場合、既存建築物に対する積雪荷重の割増し(平成19年国交告第594号第2第三号ホの規定)による安全性の検討は必要ですか。
- ・既存建築物が既存適格である場合、現行基準に適合させる必要があるため、積雪荷重の割増による安全性の検討が必要です。
・既存不適格建築物の場合、地震時を除き、令第82条第一号から第三号までに定める構造計算によって構造耐力上安全であることを確かめることが必要であり、積雪荷重の割増による安全性の検討が必要です。ただし、床面積の合計が基準時における延べ面積の1/20かつ50㎡以下である増改築の場合は除きます。
- 既存不適格建築物にEXP.Jを設けてルート3の増築を行った場合の構造適判及び構造設計一級建築士関与の要否について教えてください。
- 法第3条第2項、法第86条の7の規定により法第20条の適用を受けない既存不適格建築物に対する増築の場合、ルート2以上の構造計算を行った場合は特定増改築構造計算基準(法第6条の3第1項)として構造計算適合性判定が必要です。
法第20条の適用を受けないため、建築士法第20条の2の規定により構造設計一級建築士の関与は不要です。建築士法第20条第2項の規定により設計の委託者へ安全証明書の交付が必要です。
- ルート3で設計を行った場合においても安全証明書の添付が必要なのはなぜですか。
- 記載について、建築基準法「法」といい、建築士法「士法」とします。
建築士は構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合、安全証明書を設計の委託者へ交付しなければなりませんが、構造設計一級建築士の関与が必要な建築物の場合は除かれています。(士法第20条第2項、士法第20条の2第1項及び第2項)
士法第3条の一級建築士でなければ設計を行うことができない建築物に該当し、法第20条第1項第一号又は第二号の構造計算を行った場合は、構造設計一級建築士の関与が必要です。それ以外の建築物は、構造設計一級建築士の関与が不要であり、安全証明書の交付が必要となります。士法第20条の2第1項、士法第3条第1項を参照してください。
例えば、鉄筋コンクリート造、鉄骨造で延べ面積が300㎡、高さが13m又は軒の高さが9mを超えない建築物は、ルート3の構造計算を行った場合でも、構造設計一級建築士の関与が不要で、安全証明書の交付が必要です。
- 柱が角形鋼管で梁がH形鋼の仕口部の保有耐力接合の確認を技術基準解説書に記載の方法で検討しましたが、日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」の方法による必要がありますか。
- 技術基準解説書では、「柱が角形鋼管で梁がH形鋼の仕口部については、日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」などに記載される検討例を参考にするとよい」と記載されています。2020年版技術基準解説書P626(2015年版同解説書P618)をご参照ください。
- K形ブレース構造(圧縮部材考慮)をある電算プログラムで計算した場合において、「保有水平耐力計算時に柱が座屈耐力に達した」と、メッセージが出力されます。保有水平耐力をK形ブレースの座屈又は引張耐力に達した時点としています。法的に問題があるでしょうか。
- 平成19年国交告第594号第4第三号の規定により架構の崩壊状態の確認にあたっては、構造耐力上支障のある急激な耐力の低下が生ずるおそれのないことを確かめる必要がありますが、柱が座屈耐力に達したということは、構造耐力上支障のある急激な耐力の低下が生じる可能性があると考えられます。
Ds値の算定にあたっては、昭和55年建告第1792号第3第三号イ(2)に該当しないと考えられることから、同告示の第3第三号ロにより部材群の種別をDとしてDs値を算定することが必要と考えます。
- 鉄骨造ブレースの接合部中ボルト(強度区分10.9)の使用は可能ですか。
- 中ボルト(10.9)はJIS規格品であり、法第37条第1項の指定建築材料に該当するため、使用することが可能です。ただし、平成12年告示第2464号第1第一号表に強度区分としての記載がないため、同告示第1第二号により、国土交通大臣の認定を受けて、指定された基準強度を用いることが必要です。申請には認定書及び指定書の添付が必要です。
- 直接基礎(地盤改良併用)において、支持層である砂層の液状化判定の結果、3箇所のボーリングのうち1つでM=7.5、入力加速度200galでFL値<1.0の部分が認められました。150gal入力ではFL値>1.0です。確認申請上は、どのような判断となりますか。
- 液状化判定に用いる入力加速度については、法令に定めがありません。150galでの液状化判定の結果がFL値>1.0であれば、液状化について令第38条に適合と扱っています。
- 砂層の液状化判定において、N値がおおむね15以上であり、一部にN値15以下の部分がある場合においても液状化判定が必要ですか。
- 建築場所やその周辺の地盤状況等にもよりますが、N値が15以下の部分については、液状化判定が必要になると考えられます。